大阪の都心から電車で二十分あまり。人口11万7千人、10年のあいだに10.8%が抜けた衛星都市が、廃校の跡地に76億円の図書館を建てた。2026年5月13日開館、蔵書20万冊、座席448席、1階にスターバックス。運営は市ではなく蔦屋を回す会社が担う。目標は年100万人。人口の8.5倍という数字がどこから出たのかから調べてみる価値がある。
1.2026年5月13日、大阪府門真市に文化創造図書館KADOMADOが開いた。京阪本線古川橋駅の北側、閉じた市立第一中学校の跡地である。地上5階に屋上テラス、鉄骨造、延床面積7,351㎡(およそ2,224坪)。蔵書20万冊、座席448席、午前9時から夜9時まで開き、年末年始だけ休む。総事業費はおよそ76億円と報じられた。
2.数字をもう一つ載せなければこの建物は見えない。門真市の人口は2023年の基準で117,139人、10年で10.8%が減った。人口が抜ける都市が市民一人あたり6万5千円近い金を図書館一棟へ押し込み、開館とともに掲げた目標の来館者は年100万人。市民の全員が毎年八回半ずつ来てようやく埋まる数だ。

3.設計は遠藤克彦建築研究所が基本設計をまとめ、大林組が設計と施工の一括で建てた。敷地3,286㎡に建築面積2,232㎡という条件が、この建物の形をほとんど決めてしまった。プログラムを横へ広げる土地がないので上へ積み、代わりに動線を外へ出して階と階をつなぐ。設計者が付けた二つの名前がそれである。スパイラルガーデンとギャラリーウォーク。

4.ギャラリーウォークのほうから。地面の通路がそのまま二層分の高さの吹き抜けへ続き、歩きながら見上げると上の階の書架と人が一度に見える。階段は座る場所を兼ねる。外皮の穴の開いた金属パネルが陽を細かく刻んで入れ、風を通すあいだ、外からは内側が読み切れない。光は入れて視線は濾すというのが、この殻のする仕事のすべてだ。


5.階の配分がこの施設の性格をそのまま表す。1階にスターバックスと、地域のブランドが回りながら入るチャレンジショップ。2階は小ホールと多目的室が二つ、料理のワークショップを開くオープンキッチン。3階に予約制の学習席と一人用の集中ブース、グループブース。4階は丸ごと子どもの取り分で、「えほんの山」と名付けた階段状の書架を兼ねた座る構造物、隠れて読む洞、3Dプリンターを備えたテックラボ、木工と布を扱うクラフトラボ、人工芝を敷いたキッズテラス、そして間食をしてもよい区画が一緒にある。


6.金のほうへ移る。総事業費76億円を延床面積で割ると坪あたりおよそ341万円、100円を930ウォンと置けば3,170万ウォンあまりだ。土地はすでに市が持っていた廃校の跡地なのでこの値に入っていない。設計と施工に外構と備品まで載せた総額がそうだということであり、民間の商業施設の感覚で見れば特に高くも特に安くもない場所にある。
7.興味深いのは目標のほうだ。年100万人を365で割れば一日2,740人。座席が448席なので、座席一つが一日に六回を超えて入れ替わらなければならない計算になる。午前9時から夜9時まで十二時間を開けるが、一人が平均で二時間留まると置けば座席はちょうど六回まわる。目標の100万人とは結局、開けているあいだずっと448席が空かない状態を指す数字である。
8.蔵書と座席の比率を見れば方向がもっと鮮明になる。20万冊は市民一人あたり1.7冊。一方で448席は市民261人あたり一つの割合で、延床面積で割れば座席一つが16㎡ずつ占める。本をどれだけ積んだかではなく、何人を何時間座らせておくかで設計された建物だ。予約制の学習席と集中ブース、グループブースが3階に別に取られたのも同じ話である。
9.運営は市が直接しない。蔦屋を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者として入り、期間は2026年2月1日から2031年3月31日まで。入場料のない施設で金が回る地点は三か所だけだ。1階のスターバックス、ローテーションで場所を売るチャレンジショップ、そして有料の予約席と貸室。貸室の料金は市外の居住者に二倍で付けると案内している。

10.同じ運営会社が2013年から担ってきた九州のある市立図書館が参考になる。人口5万の都市で初年におよそ92万人、翌年におよそ80万人。指定管理料は年1億1千万円ほどで、直営の時代の1億2千万円よりむしろ少し低かったと報じられた。ここで読むべきは初年の92万ではなく、1年で12万人が抜けたという事実である。開館の効果は例外なく折れる。

11.ではこの都市はなぜこれを建てたのか。図書館が目的ではなかったと見るほうが自然だ。すぐ隣に住友不動産の41階のタワーマンションが2026年10月の竣工を控えて上がっている最中で、駅前には商業施設がすでに付いている。図書館の利用者はその商業施設の駐車場を二時間無料で使う。駅前に住居、商業、公共を一つの塊で束ねて若い世帯をつかまえるという絵の中で、図書館は最も安く買える名分だった。

12.そうするには静けさの定義を変えなければならなかった。開館後の利用の感想で最も多く回る表現が「子どもが汗に濡れる図書館」だというのだが、褒め言葉と苦情が同じ文の中に入っている。走り回る階をなくせば若い世帯が来ず、そのまま置けば本を読みに来た人が去る。この施設の答えは階の分離だった。音を4階へ寄せ、3階に扉の付いたブースを掘った。優雅な解ではないが、狭い敷地で使えるのは結局のところ垂直の分離一つだけである。

13.経歴は短く押さえて進む。民間の企業が公立図書館の運営を丸ごと担い、大手のコーヒーチェーンを中に入れる方式は2013年に九州で始まり、日本の各地へ広がった。図書の選定と分類をめぐって論争が起きた時期もあった。門真の事例が先行するものと分かれる地点は一つ。改修ではなく廃校の跡地に新しく建てたことであり、だから運営の方式が平面に初めから反映されている。

14.ところが開館の直前、この76億円の建物がクラウドファンディングを回した。4階の子どもの階に置く知育の玩具と移動できる遊具を買うための目標50万円。2026年2月28日に締め切られて64万円が集まり、1万円と5万円を出したところは子どもの階に名前を刻んだ銘板をもらう。集まった金は総事業費の0.008%だ。建てる予算と満たす予算が別の会計から出るという事実を、これより正直に見せる数字を探すのは難しい。
15.10年のあいだに人口が10.8%抜けた大阪の衛星都市が廃校の跡地へ76億円を入れて図書館と文化会館を一棟に重ね、運営はコーヒーチェーンを抱いた民間の事業者へ5年単位で渡し、目標に掲げた年100万人は十二時間ずっと448席が空かなければ届かない数字である。この構造を韓国へ移せば、設計ではなく運営の主体のほうで先に引っかかる。韓国の公共図書館は自治体の直営や施設管理公団、財団への委託が圧倒的に多く、民間の企業に館の全体を5年ずつ丸ごと任せる契約は珍しい。建物は予算さえ立てば立つが、5年後に再契約のテーブルへ座る相手を先に決めておかなければ、残るのは管理費だけが出ていく2,224坪である。
